【FXテクニカル分析②】正しい移動平均線の使い方

・投資を始めるにあたって、テクニカル分析を覚えたい

・まずは基本を勉強したい

・移動平均線をどう使えばいいのかわからない

こういった方向けに書きます。

基本的なことから、実際のチャートを用いた解説まであります。

結論は、移動平均線とローソク足の基本だけでも十分に戦えるということです。

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移動平均線とは

移動平均線(Moving Average)とは、

「当日を含めた一定期間の終値を平均化しグラフにしたもの」

です。英語の頭文字をとって「MA」と言います。

例えば10日単純移動平均線であれば、

{(9日前の終値)+(8日前の終値)…+(当日の終値)}÷10

という式で表され、それらの値を線で繋いだものになります。

一定期間の終値の平均値がわかりますので、価格がMAを上回っていれば、「MAと同期間内に買った人は平均すると利益になっている」という事になります。

ここに着目して今後の相場展開を予想していきます。

移動平均線の種類

主な移動平均線は3種類あります。

  • 単純移動平均(Simple Moving Average)
  • 加重移動平均(Weighted Moving Average)
  • 指数平滑移動平均(Exponential Moving Average)

それぞれ頭文字をとって「SMA」「WMA」「EMA」と呼ばれます。(上で計算式を説明したのはSMAのものです)

WMA、EMAの計算式は、式にするより文章にした方がわかりやすいと思いますので説明すると、

WMA
=直近の価格になるほど、値に対する影響度が高くなるように計算

EMA
=直近の価格のみ、出てくる値に対する影響度が高くなるように計算

こういった形です。(計算式はググれば出てきますが、混乱すると思いますし覚える必要は無いのでここでは割愛します)

そして、結論はEMAを使って下さい。

例えば3年前に売買された値段と、今日売買された値段を同じように扱っていいのだろうか?今日の値段の方がこれからの価格に与える影響は大きく無いか?ってところまで考えられているのがWMA、EMAです。

そして投資家の中で最も良く使われているのがEMAと言われています。

テクニカルで大切な事は「みんなが見ていて、それがみんなに意識されているのかどうか」なので、そこを踏まえてEMAを使うことをオススメします。

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数値をどうするか

初めの頃はMAの数値をどうすればいいか戸惑いますよね。

結論は、「短期・中期・長期のMAを表示させればなんでもいい」です。笑

僕は、25・50・75・100・200の5本のEMAを表示させています。(商品ごとに若干変えてますが基本はこの数値の応用です)

時間軸によって変わりますが、スキャルピング等のかなり時間軸が短いトレードの場合は5や10を表示させる方もいますのでお好みで追加して下さい。

ただ、個人的には2つほどアドバイスがあります。

  1. 商品ごとに数値を若干変えたとしても、同じ数値をなるべく使い続ける
  2. 100200の期間は必ず入れる

この2つです。

【①について】
正直、どんな商品にもピッタリ機能する魔法の数値なんてありません。同じ商品でも、一時期は○○EMAがすごい効いていたが最近は貫通する事が増えた、といった事が日常茶飯事です。

ここで大切な事は、常に同じ数値を使う事によって「○○EMAはいつもこれぐらいは貫通するがその後反発する事が多い」「△△EMAへの3回目ぐらいのタッチでは貫通して相場が反転する事が多い」といった、あなた自身の相場観が磨かれていきます。

ぴったりEMAで反発するならトレードなんて誰がやっても儲かります。笑

この、同じEMAを見続ける事で磨かれるあなた自身の相場観が大切なんです。

【②について】
単純に、すごく機能します。笑

毎回ぴったり機能する数値は無いと言いましたが、様々な商品で非常に高い確率で意識されるのが100と200EMAです。

表示させているトレーダーも多いので、この2つは入れておいた方がいいと思います。(200を境に「トレンド転換が〜」とか騒がれ始める事が多いです)

EMAを用いた実戦戦略

色々な使い方があると思いますので、一例としてお読み下さい。

EMAは僕は2つの使い方をします。(特に珍しい使い方ではありませんが…)

  1. 上位足から下位足までのトレンドの向きの確認
  2. サポート・レジスタンス

主にこの2点です。

※一応②について、知らない方向けに念のため説明しておくと、EMAが価格よりも下にある場合、価格が下落してきてもEMAで止まる(=サポート機能)可能性があり、逆にEMAが価格よりも上にある場合、価格が上昇してもEMAが抵抗となって跳ね返される(=レジスタンス機能)可能性がある、という性質のものです。

【①の使い方】

日足から順番に見ていきます。(トレードの時間軸によって、どこまで大きな足を見るかは変えていって下さい)

ちなみに僕のEMAは、

25=青
50=黄
75=赤
100=灰
200=紫

です。最初の3本は信号機を意識してます。笑

これはこの記事を書いている2019/7時点のドル円の日足です。

直近のEMAは、期間が短いものから順に下から並ぶいわゆる『パーフェクトオーダーの下落トレンド』です。

25EMAに押し戻されて下落しているところです。

ドル円4時間足

パーフェクトオーダーは崩れかかってますが、まだまだ下落トレンドは終わってなさそうな雰囲気です。

直近の戻りが大きいものの、EMAはほぼ全て下向きのため、横ばいか下落トレンドと読みます。

ドル円60分足

60分足あたりから、もっと小さなトレンドの動きになってきます。

これは直近の戻りではEMAが全て上向きでしたが、いわゆる「いってこい」で下落し、EMAと価格が絡まり合う横ばい相場です。

現時点では価格はEMAの下にありますが、ここを抜けるのか、負けて下落していってしまうのか、重要な局面だと言えそうです。

ドル円15分足

15分足になると、200EMAも上抜きレジサポが逆転しそうなタイミングである事がわかります。

短期的には多少上がるかもしれませんが、その先には上位足のEMAがあるので手放しに買えばいいというタイミングではなさそうです。

以上をまとめると、

日足=下落トレンド
4時間足=下落トレンド
1時間足=トレンドレス(横ばい)
15分足=やや上昇トレンド

となります。

さて、これも基本的な事ですが、トレンドは上位足の方のトレンドが優先されます。

つまり、現時点ではまだ上位足が下落トレンドなので、この局面では初心者のうちは売りだけを考えます。(買いは逆張りになってしまうので封印するか、期間やロットを抑えて取引しましょう)

「上位足が下落トレンドなので、基本は売りから入ろう。しかし下位足は上昇しそうなので、売る場合はもう少し上がるのを待ってからで、買いで入る場合には逆張りになるためロットを少なくし保有期間も短かめにしよう。」

といった戦略が考えられるようになります。

【②の使い方】

では、①で少しだけ触れてしまいましたが、②のサポート・レジスタンスについて見ていきます。

①でお見せしたドル円の15分足を基に説明します。

こちらの、青丸と赤丸部分にご注目ください。

わかりやすく拡大した図がこちら↓

順番に説明していきます。

青丸①
黄色の50EMAで明確にサポートされているのがわかる

青丸②
50EMAのサポート後上昇するが、高値を更新できずに下落。先ほどサポートされていた50EMA、その次の75EMAを一気に貫通し、100EMAでサポートされ反発

青丸③
高値が更新できず再度下落してくるが、再び100EMAにサポートされる(このあたりから、「上値が非常に重く、もしEMAのサポートを全部割ったら大きく下がるのでは?」と予想が立てられる)

赤丸①
今までサポートされていた25EMAや50EMAがほんのりとレジスタンスラインになり始める

青丸④
とうとう100EMAも貫通し、最後の200EMAでなんとかサポートされるが、高値は切り下がり続け下値もこれで更新

赤丸②
EMAが明確にレジスタンスとして機能し始める。上昇する力がなく、50EMAにすら届かず25EMAがレジスタンスとなり下落

赤丸③
ついに200EMAを割り込み、反発するものの再度25EMAに阻まれ下落。ここから本格的な下落へ

赤丸④
急すぎる下落のため、ヨコヨコの時間の調整を経て25EMAに阻まれ下落

 

↑このように、EMAがサポートとレジスタンスの役割を果たします。

サポートとして機能していたEMAは、割り込むと逆にレジスタンスになりますので、覚えておきましょう。

EMAの向きによるトレンド判断、サポート・レジスタンス機能、それに加え↓の記事で書いたローソク足のプライスアクションを学べば、それだけでもぶっちゃけ十分に戦えます。

【テクニカル分析①】ローソク足のチャートリーディング手法【初級】

ただ、もちろんどんなシチュエーションでも明確にサポレジとて機能するわけでは無いので、これだけを盲信して売買しないようにして下さい。

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おわりに

ここまで読んでくださってありがとうございます!

テクニカル分析においては、絶対に効く聖杯のようなものは無いと僕は思っています。

もしそういうものがあるのならそれこそAI運用が最強で我々個人に勝ち目はありません。(しかし実際に個人で勝っている人はたくさんいます)

相場というのは、市場参加者がいて、その感情や思惑に左右され上下していくものだと思います。(もちろんファンダも含めて)

その微妙な人間の感情を相場の雰囲気から読み取る力=相場感だと思いますし、これは今のところ人間にしか無い力だと思います。

うまくいかない事だらけで落ち込むこともあるかもしれませんが、トレードのスキルは磨き続ければいつか必ず花開くと思いますし、その際のリターンも莫大なものになります。

お互いめげずに頑張りましょう!

【テクニカル分析シリーズ記事↓】

【テクニカル分析①】ローソク足のチャートリーディング手法【初級】

【テクニカル分析②】正しい移動平均線の使い方【初級】

【テクニカル分析③】意外と重要な水平線【初級】

【テクニカル分析④】トレンドラインとフィボナッチライン【初級】

【テクニカル分析⑤】出来高から見るチャートリーディング【初級】

トレードに関してのオススメ記事はこちらです↓

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まとめ

・移動平均線は基本だが非常に有効

・変に複雑なテクニカルより基本が大切

 

ABOUTこの記事をかいた人

こんにちわ、シロです。 新卒で証券会社に入社→入社3年は全く数字ができず地獄の日々→「思考は現実化する」という本と出会い「俺はできる!」と思い続けていたら特進で出世し、年収1,200万円到達→休日しか楽しみが無く、死んだ魚の目をして一生を終えそうだったので退職→ブログと個人投資家(←今ここ) 会社員時代に、病気になったり突然倒れ帰らぬ人となった周りの人たちを見て「健康が一番大事やん…!」と悟りました。 自然が大好きです。 山登り、キャンプ、スノーボード、ダイビング、旅行が好きです。 主に雑記ですが、皆様が心身ともに健康でいられるような記事を書いていけたらと思っています。