【今、ここから始める】“自分の人生”を生きよう【アドラー心理学】

・他人の評価を気にしてしまう

・他人に嫌われるのが怖い

・今のままの自分でいいのかずっと悩んでいる

こういった方向けに書きます。

フロイト、ユングと並ぶ『心理学の三大巨頭』と呼ばれるアドラーが提唱する、幸せに生きるための心得をお伝えします。

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日本人の4人に1人が“心の病”経験者

職場での人間関係、家族とのトラブル、生活に対する不満、自己肯定感の欠如など、人間は誰しも大なり小なり悩みを抱えているものだと思います。

厚生労働省の調査によると、’99には204万人だった精神疾患の患者数は、’14の調査では392万人と過去最高を記録したそうです。

これは、国を挙げて対策に取り組んでいる「4大疾病」(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病)のうち、最も患者数が多い糖尿病を上回る数字で、国民の4人に1人が精神疾患を患っているという数字です。

これを受けて、上記4大疾病に精神疾患も加え「5大疾病」として位置づけられる事になり、その深刻さが益々注目されてきています。

何かとストレスフルな現代社会。

精神疾患とまではいかなくても、憂鬱な気持ちが抜けなかったり、ずっとやる気が出なかったり、毎日気怠さに悩みながら過ごしている方も多いのではないでしょうか。

そんな方に知って頂きたいのが、アドラー心理学です。

がんや糖尿病などの身体的な病気は難しいかもしれませんが、精神的な病気や悩みはアドラーの教えに従い心の持ち様を変える事で少しでも楽になるのでは無いかと思い、この記事を作成させて頂きました。

少しでも皆さまの悩み事の解決に役立てば嬉しいです。

アドラー心理学の骨子

アルフレッド・アドラー(1870-1937)は、オーストリア出身の精神科医であり、心理学者でした。

後にアドラー心理学と呼ばれる彼の思想の中でも、この記事では

  • 原因論ではなく目的論
  • 全ての悩みは対人関係
  • 課題の分離
  • 「今、ここ」に焦点を当て生きる

という点についてお伝えしていきたいと思います。

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原因論ではなく目的論

過去の「原因」によって、現在の「結果」が作り出されているという「原因論」をアドラーは否定します。

その代わりに、「目的」があって「結果」が作り出されているという「目的論」に帰結しています。

〈例〉
「過去のトラウマが原因で、引きこもりになった」と主張する少年がいる

【原因論的解釈】
→そのトラウマが原因で、外に出る事が出来なくなってしまった

【目的論的解釈】
過去のトラウマは現在の結果には無関係で、まず「外に出たくない」という目的があり、その目的達成の為に過去のトラウマを引き合いに出している

アドラー心理学的では後者の様な解釈になります。

「いや、その解釈はおかしい!」
「そんな解釈、その少年が可哀想だ!」

と感じる方が多いかもしれません。

実際ほとんどの方が世の中を原因論的に解釈していると思われます。

しかしその解釈では、この例になぞると過去にトラウマがある人はみんな引きこもりになっていないとおかしいという事になります。

原因論は、過去の原因が現在や未来の結果を決定するという「決定論」に繋がります。すなわち、過去はもう変えられないので、現在や未来も変えることはできない、という考えに帰結してしまいます。

その点アドラー心理学が提唱する目的論では、過去の経験やトラウマそれ自体は現在の結果とは関係が無く、自分自身が目的のためにそれらの経験やトラウマにどういった意味を与えるか(どう解釈するか)という点が重要であり、その意味づけが現在の結果に繋がる、と説いています。

つまり、我々はみな目的に沿って生きており、現在の状況は自分自身が目的達成のために様々な経験に意味付けをし、様々な選択肢を選んできた結果である、という事です。

上記の引きこもりの少年の例になぞると、

  • 「過去のトラウマ」があるため、自分は外に出る事が出来ないので諦めて引きこもる
  • 傷つくかもしれないが、「過去のトラウマ」を言い訳にせず(むしろ糧にして)、勇気を出して一歩踏み出してみる

原因論的解釈では、前者の解釈しかできず身動きが取れなくなってしまいますが、目的論的解釈では、後者の様な選択肢もあり得るわけです。

つまり、

「原因論ではなく目的論で物事を考える事が出来れば、現在や未来は自分で選ぶ事が出来る。」

「=人は変われる」

というのがアドラー心理学の考え方になります。

全ての悩みは対人関係

アドラーは、全ての悩みは対人関係だと言い切っています

もし、宇宙に自分という存在一人だけだったら、あらゆる悩みは無くなる、という事です。

つまり、我々の悩みは「他者との比較からくる劣等感」により生み出されている、という事です。

これを解決するための方法は3つで、

  1. 他者との比較・競争をやめる
  2. 劣等感は客観的事実ではなく主観的解釈だと知る
  3. 課題の分離(後述)

になります。

①他者との比較・競争をやめる

人生は、他人との競争ではありません

これをまず認識しましょう。

そのためにも、人間関係を縦ではなく横で捉えると良い、とアドラーは説いています。

すなわち、人間には年齢・性別・能力・地位・国籍等、それぞれ様々な違いがありますが、「同じでは無いけれども対等だ」という捉え方をする。

そう捉えられれば「あいつよりも上に行く為に〜」「あいつに負けないように〜」という理由で努力するのでは無く、「今の自分よりも少しでも前に進む為に〜」という健全な理由で努力ができるようになります。

これで過度な不安感や強迫観念も軽減されると思います。

昨日の自分より今日の自分、今日の自分より明日の自分、と、他人と比べる事なく、過去の自分と比べて少しでも前に進めていればいいんだと思える様になれば、人生だいぶ楽になります。

②劣等感は客観的事実ではなく主観的解釈だと知る

身長が低い、スタイルが悪い、見た目が良く無い、etc…

色々な劣等感があると思いますが、ほとんどの方はそれを「客観的事実」、つまり「誰しもが思う普遍的な事実」だとして受け止めています。

身長が低い=かっこ悪い
スタイルが悪い=モテない
見た目が良く無い=結婚できない

もしこういった解釈をしている様であれば、それはあなたの勝手な「主観的解釈」であり、「客観的事実」では無い事をまず認識しましょう。

身長が低い=チャーミングで、初対面から相手を威圧する事が少ない

スタイルが悪い=スタイルに自身がある人なんか世の中でわずかしかいないからハンディキャップにはならない

見た目が良く無い=見た目だけで寄ってくるような薄っぺらい人と付き合わなくて済む

と、主観的解釈を変えるだけで場合によっては劣等感ではなくなります。

薄毛を売りにしているお笑い芸人もいますが、まさに劣等感を武器にしたすごく良い例だと思います。

あなたが思っている劣等感は、もしかしたら思っている以上に周りの人は気にしていないのかもしれませんよ。

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課題の分離

アドラー心理学で提唱されている中で、特に大切なポイントでもあるのがこの「課題の分離」です。

つまり、「これは誰の課題なのか?」という視点で、自分の課題と他者の課題を分離させるという事です。

例えば、自分の子供が学校の宿題をやらない場合。

「宿題をやりなさい!」

と親が叱るのは、課題の分離ができていない証拠です。

なぜなら、宿題をやるかやらないかは子供の課題であって、親の課題では無いからです。

この考え方によって、対人関係の悩みは大半が解決します。

もし他人に嫌われてしまっても、あなたを好きになるかどうかは相手の課題。

あなたの選択に周りがどう評価するのかどうかも、周りの人の課題。

理不尽に怒ってくる上司がいたとしても、あなたにどういう態度をとるのかは上司の課題。

つまり、相手の課題は自分にはどうする事もできないので切り離して考える、という事です。

もちろん、傍若無人に振る舞うという事では無く、自分に出来る事をした上で、嫌われてしまったり評価されなかったり怒られたりしても、それはあなたが解決できる課題では無いので悩むだけ無駄だと捉える、という事です。

他人の評価などはあなたにはどうする事もできないため「自分の信じる最善の道を選ぶ」という事が最も大切である、とアドラー心理学では説かれています。

つまりこれは、「他社の課題には介入せず、自分の課題にも他者を介入させない」という意味にも繋がります。

あなたが他人に力を貸したとして、あなたが思う見返りをくれるのかどうかは相手の課題であるため、初めからそこに関与すべきでもなければ期待すべきでも無いのです。

実践は簡単ではありませんが、この課題の分離が理解できるだけで人間関係がぐっと楽になります。

「今、ここ」に焦点を当て生きる

過去のトラウマや劣等感、他人との関わり方はここまででご理解頂けたのでは無いかと思います。

最後にお伝えしたいことは、アドラー心理学で説かれる「生き方」です。

すなわち、「今、この瞬間を全力で生きる」ということです。

アドラー曰く、

『人は人生を“線”で捉え、あたかも過去が現在に続いていたり、未来がぼんやりと見える気になっているが、それは違う。

本来人生とは点の連続であり、連続する刹那である。』

と説いています。

『過去にどんな事があったとしても、「今、ここ」には関係が無いし、未来がどうなるかなど、「今、ここ」で考える問題では無い。

自分が人生という舞台の劇場に立っている姿を想像し、そこに強烈なスポットライトを当てるイメージをする。

そうすると、過去も未来も見えず、「今、ここ」しか見えなくなる。』

そのような生き方を、アドラー心理学では提唱しています。

あなたが、今とは違う、本当にやりたい事があるのであれば、「今、ここから」始めてみてはいかがでしょうか。

他人の評価なんて、あなたの課題では無いので関係ありませんし、他人と比較する必要もありません。

あなたがどう思い、何をしたいのか。

それを強烈に意識しながら、今を精一杯生きる、という事が、幸せな人生を送るためのキーではないかと思います。

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おわりに

ここまで読んで下さってありがとうございました!

皆さんの悩みが少しでも軽くなっていればとっても嬉しいです。

アドラー心理学はまだまだ奥が深いので、ご興味があればこちらの書籍がオススメです↓

【嫌われる勇気:岸見一郎、古賀史健 ダイヤモンド社】

 

また、アドラー心理学と併せてこちらの記事もお読みいただくと内容がよりしっくりくると思いますのでよろしければどうぞ↓

思考は本当に現実化する話【脳科学と量子論から証明】

まとめ

・目的論で物事を捉えると未来を自分で選べる

・他人との比較・競争は無意味

・自分の課題でなければどうしようもないと割り切る

・“今を生きる”

ABOUTこの記事をかいた人

こんにちわ、シロです。 新卒で証券会社に入社→入社3年は全く数字ができず地獄の日々→「思考は現実化する」という本と出会い「俺はできる!」と思い続けていたら特進で出世し、年収1,200万円到達→休日しか楽しみが無く、死んだ魚の目をして一生を終えそうだったので退職→ブログと個人投資家(←今ここ) 会社員時代に、病気になったり突然倒れ帰らぬ人となった周りの人たちを見て「健康が一番大事やん…!」と悟りました。 自然が大好きです。 山登り、キャンプ、スノーボード、ダイビング、旅行が好きです。 主に雑記ですが、皆様が心身ともに健康でいられるような記事を書いていけたらと思っています。