ジョブズに見る禅とビジネス

アップルを世界一の会社にした稀代の天才経営者であるスティーブ・ジョブズ。

彼が一時期本気で日本に渡り修行をしようとしていたのを知っている人は意外に少ないと思います。

世界一の経営者・ジョブズがそこまで傾倒した“禅”“ビジネス”はどういう世界観で繋がっているのか、非常に興味深かったため調べてみました。

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ジョブズと禅

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ジョブズが最も禅に打ち込んだのは、リード大学(後に1年半で退学)に入学した1972年から、アップルを創業した1976年の間だったようです。

ジョブズは生後すぐに養子に出され生みの親を知らないためか、人一倍自分のアイデンティティを欲し、色々な自分探し方を模索していました。

インドのヨガ導師やチベット仏教の高僧が書いた本を読み漁ったり、新興宗教や神秘主義、菜食や断食などの食事療法など、あらゆる方法を試したそうです。

そして、カリフォルニア州にいる曹洞宗の僧・知野弘文と出会い、“師”と崇めるほどに交流を深め、禅に傾倒していきます。

本気で修行をするか、ビジネスの道に進むか、真剣に悩んでいたところ、弘文氏に「突き詰めて言えばビジネスもまた修行だ。」と諭され、そちらの道に行くことを決意しました。

弘文氏がいなければ、もしかしたらiPhoneなども生まれていなかったかもしれませんね。

禅の教え①冷暖自知(れいだんじち)

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禅の教えの1つに、冷暖自知という言葉があります。

「水が温かいのか冷たいのか、触るか飲むかすればすぐにわかる」という教えです。

例えば目の前のカップに水が入っていたとして、「この水は温かいのか?冷たいのか?」と問われたらどうしますか?

「今は夏だから冷たい水を飲もうとして注いだのだろうから、冷たいのではないか」
「カップの外見から推測するに温かい飲み物用っぽいからきっと温かい」

このように、仮定や推定で論じ合ってダラダラと時間だけが過ぎていくということをしてしまってはいませんか?

カップの水の温度だったらこのようなやりとりはしないかもしれませんが、仕事や進路など、現実世界で案外同じような行動を取ってしまっている人もいるのではないでしょうか。

触って熱ければ火傷をするかもしれませんし、飲んで冷たければお腹を壊すかもしれません。

しかし、そうやって実際に体験することが何よりも大事だと言うことことがこの言葉の真意です。

禅は知的理解よりも体験に価値を置いていますが、それをジョブズはビジネスの世界で実践し、あれだけの事を成し遂げたのでしょう。

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禅の教え②生死事大(しょうじじだい)

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これは「生死は人間にとって一大事で待ったなしの問題だ」という意味で用いられます。

この“生”と“死”の間がすなわち“人生”と呼ばれるものです。

禅に学んだこの死生観がジョブズに大きな影響を与えたと言う事実は疑いようがありません。

「今日が人生最後の日だとして、これは本当にやりたいことか?もし何日も『ノー』という答えが続いた時は、何かを変えなければいけない。」

「時間は限られている。他人の人生を生きてはいけない。」

ジョブズが遺したこのようは言葉たちにも、その想いが宿っているのでしょう。

禅の教え③簡素さ

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禅の道場は簡素さが徹底されています。

それは自己の探求に専念するために、余分なものはできる限り排除するという考えのもとです。

この教えが、“オンオフのスイッチすら排除する”というそれまでの常識では全く考えられなかった商品設計に繋がっているのだと思います。

ジョブズは生前、
「設計者というものは、付け足すものが何もなくなった時ではなく、取り去るものが何もなくなった時、初めてそれが完成した事を実感する」
と語っています。

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禅の教え④今までの自分を投げ捨てる

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禅の道場に入門するには、必ず試験があります。

それは、

  1. 床に手のひらを合わせておき、その上に頭をつけかがみ込むという姿勢を7時間×3日間
  2. 朝から寝るまでひたすら座禅×2日間

という内容です。

これは、自分の過去を捨てる事学歴・財産・地位などは何の役にも立たないしこれからの修行の邪魔になるということを知ることに繋がります。

ジョブズは生前、
「過去ばかり振り向いていてはダメだ。自分がこれまで何をして、これまで誰だったのかということをきちんと受け止めた上で、それを投げ捨てればいい。」
と語っています。

今までの自分にとらわれず、どんな時でもフラットな心でいることがビジネスでも、ひいては幸せに生きる上でも大切なのかもしれません。

禅の教え⑤1つのことに集中する

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禅の教えに、「1つのことに集中する」ということがあります。

「人生は無常であり、苦悩が人生の一大テーマである。
それを解決するために、ひたすら仏道を学び、ただただ修行をしなければならない。」

このような考えのもと、色々な修行を兼修したりすることを禅の世界では良しとしません。

一度はアップルを追放されるも再度返り咲き、大きく傾いていた経営状況を見事に立て直したジョブズですが、その時にも、不要なプロダクトはバッサリと切り捨てる“選択と集中”を行い立て直しています。

また、ジョブズはグーグルの創業者であるラリー・ペイジから「優れたCEOになるためにはどうすればいいか」聞かれた時にも、「大切なことは『集中』することだ」と答えています。

ビジネスにおいても、まずはあれこれ手を伸ばすのではなく、1つのことに集中して極めるのが大切なのではないでしょうか。

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おまけ

ジョブズは京都が大好きで、生前には子供も含めよく遊びにきていたそうです。

ジョブズが特に好きでよく泊まっていたのが、京都最古の旅館の1つである“俵屋旅館”というところだそうですので、気になった方は行ってみてはいかがでしょうか。

公式HPを持たない変わった旅館ですが、海外のVIPもよく訪れる旅館として有名みたいです。

>>俵屋旅館を予約する 

また、その際には臨済宗の寺である苔寺(西芳寺)を訪れるのが定番だったそうです。

世界一の経営者とも呼ばれる方がここまで日本を好きになってくれるなんて、日本人としてはとても誇らしいですね。

まとめ

禅の教えはビジネスの様々な場面で活かすことができる。

ABOUTこの記事をかいた人

こんにちわ、シロです。 新卒で証券会社に入社→入社3年は全く数字ができず地獄の日々→「思考は現実化する」という本と出会い「俺はできる!」と思い続けていたら特進で出世し、年収1,200万円到達→休日しか楽しみが無く、死んだ魚の目をして一生を終えそうだったので退職→ブログと個人投資家(←今ここ) 会社員時代に、病気になったり突然倒れ帰らぬ人となった周りの人たちを見て「健康が一番大事やん…!」と悟りました。 自然が大好きです。 山登り、キャンプ、スノーボード、ダイビング、旅行が好きです。 主に雑記ですが、皆様が心身ともに健康でいられるような記事を書いていけたらと思っています。