・ローソク足やトレンドラインはマスターした
・よりチャートを読む精度を上げたい
こういった方向けに書きます。
ローソク足やラインなどの基本が押さえられたら、併せて出来高も意識するとチャートを読む精度がぐっと上がります。
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目次
出来高の重要性
僕は出来高をものすごく重要視しています。
正直、ローソク足・水平線・トレンドライン・フィボライン・出来高だけでもう十分にトレードができてしまうと思っています。
例えば、売り注文がスッカスカの状態で、あなたが気まぐれに買いを入れればその瞬間だけは少なくとも価格は上昇します。
しかし、当然の事ながら、その後もどんどん上昇していくためには追随した買い(=出来高)を伴う必要があります。
出来高を伴った上げ(下げ)なのかどうか、出来高を伴ったラインブレイクなのかどうか、といったところに注目する事で、チャートを読む精度がかなり上がります。
デフォルトでは出来高が表示されていないところが多いので、必ずご自身で出来高を表示するようにして下さい。
それでは、出来高の読み方について解説していきます。
読み方①:トレンドの方向と出来高の増減
基本的な事からお伝えします。
出来高は、トレンドが出ているときはトレンド方向のローソク足で増加し、トレンドとは逆方向のローソク足で減少します。
↑このように、上昇トレンドでは
- 上昇時には出来高増加(青矢印)
- 一時的な下落による押し目では出来高減少(赤矢印)
- 横ばい時は出来高も横ばい(黒矢印)
となりやすいです。
これを基本として読んでいきます。
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読み方②:セリクラ・バイクラ察知
売りの最終局面を“セリングクライマックス”、買いの最終局面を“バイイングクライマックス”と言いますが、セリクラ・バイクラの予想にも出来高が役立ちます。
上記①で用いた図をご覧ください。
赤丸部分に注目して頂きたいのですが、短期的な安値を更新した足で出来高が異常に大きいですよね。
これは“当面の(短期的な)下落圧力が抜けきった”という解釈ができ、事実この足で短期では底入れして上昇しています。
もちろん毎回必ず当てはまるわけではありませんが、参考になる事は多いので、次の足のプライスアクションも見ながらエントリー根拠にしてみて下さい。
ちなみに、上記の例では異常な出来高の足でピッタリ短期的な底入れになりましたが、僕の体感ではこのような足が出現後、さらにもう一度安値を更新してから底入れになるケースが多い気がします。
いずれにせよ、こういった足の場合は“反転するかもしれないな”と身構えておきましょう。
読み方③:ローソク足と出来高のダイバージェンス
ダイバージェンス=逆行現象、という意味です。
ローソク足と出来高の関係ですが、言うまでもなく、ローソク足が大きく(長く)なるにつれ出来高も大きくなるはずで、ローソク足が小さく(短く)なるほど出来高も小さくなるはずです。
しかし、そうならない場合には、トレンドの反転や大口の仕込みを示唆している場合があります。
同じく①で使ったチャートを、ご覧ください。
【青矢印部分】
ローソク足は高値を更新した小さい短線(十字線)ですが、出来高は直近では一番出来ています。
出来高が出来ているのにローソク足が大きくならない=相応の売り圧力が出てきた
と解釈ができ、この後下落しています。(15分足なのでスキャルピングでしか利益にならなそうなわずかな下落ですが)
【赤矢印部分】
ローソク足は高値更新後下落、直前の大陽線と比べると実体は半分以下ですが、出来高は半分以下でなく、ちょっとだけ下回るもののほぼ同等です。
これもダイバージェンスの一種で、その後反転する事が多いパターンです。
このような形で、ローソク足が相対的に小さいにも関わらず、出来高は相対的に大きい場合は反転を示唆する傾向にあるため注意してみて下さい。
また、上記2つの例以外でも、
底値圏で比較的大きな出来高を伴う短い陽線が頻発=大口がこっそり買いを仕込んでいるかも?
高値圏で比較的大きな出来高を伴う短い陰線が頻発=大口がこっそり売り抜けているかも?
という読みもできます。
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読み方④:価格と出来高のダイバージェンス
②のセリクラ・バイクラの判断との区別が難しいのがこちらです。
同じく上記で用いているチャートをご覧ください。
この、最後の上昇局面では、価格は高値を更新していっていますが、出来高はどんどん減少しているのがわかります。
小さい紫矢印が最高値をつけた足なのですが、その出来高を見ると極わずかしか出来ていないのがわかります。
つまり、もうあまり買っている人はいなくて、最後の最後、上昇に乗り遅れた人たちが買っているだけ(=買い圧力はほぼ無くなってきている状態)という事です。
この、“最高値(最安値)を更新しているのに出来高は減少していく”というパターンは天底になりやすいパターンなので覚えておいて下さい。
僕のイメージですが、
パニック的な買い(売り)により、突発的に出来高を大きく伴う足が出現
=②で説明したバイクラ、セリクラ
じわじわと上昇(下落)して最高値(最安値)を更新していくも、出来高はどんどん減少していき、ついには出来高もほとんど伴わずに新値更新
=ここで説明したトレンド転換
といった感じです。
読み方⑤:保ち合いと出来高減少
大きく動く直前の挙動として、横ばいや三角保ち合いになりながら出来高が減少していくケースもあります。
上で使っていたチャートの、高値をつけ下落したその後の動きで説明します。
高値をつけ、大きく下落した後の動きです。
高値切り下げ、安値切り上げの三角保ち合いになりましたが、それに伴い出来高がどんどん減少しているのがわかると思います。
こういったケースでは、(状況によってなので上か下かはわかりませんが)どちらかに大きく動く前触れである事が多いです。
上記のチャートでは、三角保ち合いを下放れたあと出来高を増加させながら大きく下落しています。
相場のサイクルは、
上昇(or下落)→横ばい(保ち合い)→上昇(or下落)
の繰り返しなので、この上昇(or下落)のトレンドが出る直前のタイミングを察知するために出来高を見ます。
そうする事で、変なタイミングでエントリーしてしまい無駄に消耗することを避ける事ができます。
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おわりに
ここまでお読み頂きありがとうございました!
出来高は本当に大切なので、必ず押さえておいて下さい。もっと詳しく知りたい方はこちらの書籍がオススメです↓
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【テクニカル分析①】ローソク足のチャートリーディング手法【初級】
【テクニカル分析④】トレンドラインとフィボナッチライン【初級】
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まとめ
・局面では必ず出来高を確認
・ライン+プライスアクション+出来高で十分戦える