- 朝なかなか起きれない
- いくら寝ても疲れが取れない
- 日中すぐにうとうとしてしまう
こういった方向けに書きます。
睡眠は量より質が大切でして、この記事を読めば
- 睡眠の正しいメカニズム
- 質の高い睡眠をとる方法
- 朝にしっかりと覚醒する方法
がわかります。
人生の1/3を占める睡眠の質を向上させることで、残りの2/3の質も改善するかもしれませんよ。
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睡眠の質を劇的に向上させる方法
まず結論をお伝えします。
睡眠は、眠りはじめの90分(〜180分)にしっかりと深く眠ることができれば質の高い最高の睡眠が取れるようになります。
細胞の増殖や正常な代謝を促進させる成長ホルモンはこの最初の90分で最も分泌され、また眠りたい欲求である睡眠圧も最初の90分で最も放出されるということがわかっています。
この“黄金の90分”に深い眠りにつくために、まずは簡単な睡眠のメカニズムを理解していただいてから、具体的な実践方法を説明していきます。
ビジネスパーソンやプロのアスリートなど、成果を出す人は「睡眠の質」を大事にしており、もはや世界のエグゼクティブにとって睡眠にこだわるのは“常識”となっています。
誰でも簡単に実践できるような内容のものなので、皆さんもこれを機にぜひ習得してください。
※ちなみに当記事の内容は、睡眠研究のメッカと呼ばれるスタンフォード大学の西野精治教授の著書(スタンフォード式 最高の睡眠)によるエビデンスを中心に執筆しています。
簡単な睡眠のメカニズム
「90分の倍数で起きれば快眠」は嘘?
僕も本格的に調べてみるまでは勘違いしていた事をまず説明します。
睡眠は、脳も体も眠っているノンレム睡眠と、脳は起きていて体は眠っているレム睡眠が交互に現れ、その1セットの周期が90分だと言われていました。
そのため、90分の倍数で目覚ましをかければ、脳が起きているレム睡眠のタイミングですんなり起きる事ができる、という説があります。
しかし、実際にはノンレム睡眠とレム睡眠の1セットの周期は90-120分と、個人や睡眠環境によって大きく異なるため、90分の倍数に固執するのは無意味だとのことです。
後述しますが、ぴったり90分の倍数の時間に目覚ましをセットするのではなく、このような睡眠の特性を把握した上で目覚ましをセットするのがポイントとなります。
質のいい睡眠の鍵は「体温」
私たちの体には、「深部体温」と「皮膚温度」という2種類の体温があります。(文字通り、体の深部における体温と皮膚付近における温度を表しています)
普段は深部体温と皮膚温度の温度差は2℃ほどですが、睡眠中は深部体温が下がって皮膚温度が上がるため、その温度差が2℃以下に縮まるといった性質があります。
よく、寝る直前の人の手足が温かいという光景を目にすると思いますが、あれは皮膚温度が上がって熱を放散し、深部体温をさげているためです。
つまり、この2つの温度差を縮める事で入眠のスイッチが入る(=スムーズな入眠のための鍵)ということになります。
睡眠中の自律神経
自律神経とは、心臓を動かしたり呼吸をしたりと、自分の意志とは無関係に24時間働いているものです。
そして自律神経には、活動モードである「交感神経」と、リラックスモードである「副交感神経」があります。
言うまでもなく、日中は交感神経優位、ノンレム睡眠中や食後などは副交感神経が優位となります。
そのため、寝る前に副交感神経を優位にしておく(=リラックスしておく)事が質の高い睡眠に繋がります。
これらのメカニズムを踏まえた上で、具体的な手法を解説します。
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睡眠の質を向上させる具体的手法10選
①就寝90分前に入浴をする
深部体温は、上がった分だけ大きく下がろうとする性質があるため、それを利用した方法です。
40℃のお風呂に15分ほど入ることによって、深部体温が上昇します。
その上昇した深部体温は約90分かけて下がっていくため、就寝90分前に入浴することでスムーズな入眠に繋がります。
入浴後には扇風機にあたるなどして熱発散も行うとより効果的です。
睡眠前の軽い運動などは、交感神経が優位になってしまうと睡眠の質が下がるため好ましくありません。
また、就寝90分前までに入浴ができない場合は、ぬるま湯につかるかシャワーだけにしておくのが望ましいです。
普通のお風呂よりも、温泉のほうが大きく深部体温が上がったという研究結果があるため、睡眠のスイッチとしてはお風呂より温泉の方がより効果的です。
②足湯につかる
入浴は深部体温の上昇(からの下落)というアプローチですが、足湯は皮膚体温からの熱発散を促すというアプローチです。(どちらも意図するところは2つの体温の差を縮めるという事)
足湯で足の血行を良くして熱発散を促進する事で、深部体温を下げる事に繋がります。
また、パートナーがいる場合は寝る前にマッサージをしてもらうといった方法でも効果があります。
③鼻呼吸
口呼吸は睡眠の質を下げると西野教授はおっしゃっています。
特に「眠っているのに眠気が取れない」という人は、起きている時に鼻呼吸を意識する事で改善が見込めるとのことです。
具体的には「鼻で吸って鼻で吐く」という腹式呼吸を日中に意識してやってみて下さい。
それが習慣化すれば、睡眠中も口呼吸で眠らずにすみ、ひいてはいびきも解消するとのことです。
④靴下を履かない
もし靴下を履いて寝ている場合、脱いで寝た方が睡眠の質が上がります。
上述の通り、手足からの熱発散により深部体温が下がる事でスムーズな入眠に繋がるわけですが、靴下を履いているとその熱発散を阻害してしまいます。
冷え性の方は、運動などで血流を良くして冷え性を抜本的に解決し、睡眠中は靴下を脱いだ方が質の高い睡眠のためには好ましいと言えます。
⑤通気性のいい枕を使う
脳の温度も深部体温と同じく睡眠中に下がるため、熱がこもってムレてしまうような素材は避け、通気性のいい枕を使うようにすると効果的です。
今はほんのり冷たい保冷剤が入っている枕なんかもあるみたいです↓
枕を変えるだけでよく眠れるようになったという話は頻繁に聞くので、今までこだわっていなかったのであればこれを機にこだわりの枕を1つ用意してみてはいかがでしょうか。
⑥香りにこだわる
科学的に眠りやすくなる香りだと証明されているのが下記4つなので、これらのアロマを焚いたり枕にスプレーしたりといった事も効果的です。
- ラベンダー
- シダーウッド(ヒノキやスギ)
- コーヒー
- 玉ねぎ
コーヒーは飲むのはダメですが、香りを嗅ぐのは睡眠を促す効果があります。
玉ねぎに関しては香りが強すぎるのは逆効果なため、刻んで部屋に置く場合は香るか香らないかぐらいにしましょう。
⑦室温・湿度を整える
良質な睡眠のためには、室温や湿度にも気を遣いましょう。
湿度の目安は45-55%です。
室温は個人の体感で大きな差があるので、基本的にはご自身が快適に感じる温度でOKです。
目安としては、
夏場:26-28℃
冬場:16-19℃
ぐらいを心がけましょう。
エアコンは適温を保つために朝までつけっぱなしの方がベターですが、気になるようだったらタイマーなどを利用しましょう。
⑧決まった時間に寝て起きる
言うまでもありませんが、規則正しい生活が良質な睡眠に繋がります。
できれば、日をまたぐ前の23時頃までには就寝するのがベストです。
寝る時間と起きる時間ですが、強いてどちらか優先順位をつけるのであれば寝る時間を固定して下さい。
次の日の朝が早いからいつもより早く寝たい、という場合でも、普段寝ている時間から1時間以上ずらして就寝すると出来上がったリズムが崩れてしまうかもしれないので注意しましょう。
⑨夜、冷やしトマトを食べる
トマトに限らず、キュウリなど体を冷やす性質があるものを食べると深部体温が下がるため、スムーズな入眠に繋がります。
また、カノコソウやカモミールなどのハーブも効果的だと言われています。
このあたりはサプリもありますので、ご自身の睡眠に関する悩みの深刻度と相談しつつ利用してみてはいかがでしょうか。
⑩夕食をしっかり食べる
意外かもしれませんが、夕食を抜くと「覚醒して眠れなくなり、食欲が増すため肥満の原因にもなる」と西野教授はおっしゃっています。
最低でも眠る1時間前までにはすませ、揚げ物など消化に時間がかかるものはなるべく避けるといいそうです。
個人的な体験としては、ファスティングしている時は普通に眠れましたしむしろ3時間ぐらいの睡眠でも翌日に活動できそうな勢いだったので、個人差があるのかもしれませんね。
朝目覚める前後で行う事
最後に朝スムーズに起きるための方法と起きた後しっかりと覚醒するための方法をお伝えします。
アラームは2つかける
冒頭申し上げたように、睡眠の周期は90-120分で個人差があります。
この差を考慮して、アラームを20分差で2つかけましょう。
具体的には、朝7時に起きたい場合は
- 6:40に1つ(小音量で短め)
- 7:00に1つ(大音量で長め)
というようにかけて下さい。
そうする事で、1つ目のアラームの際にまだノンレム睡眠だったら気付かずにスルーされ、20分経ち2つ目が鳴る頃にはレム睡眠に移行している可能性があります。
こういった手法にすることで、レム睡眠時に起きられる確率が約1.5倍になるそうです。
天気に関わらず朝の光を浴びる
これはご存知の方も多いでしょう。
朝起きて、まず日光を浴びる事で体内のリズム(サーカディアンリズム)がリセットされ体が覚醒します。
ポイントは、晴れていなくてもカーテンを開け光を浴びるようにすることです。
朝を裸足で過ごす
朝スリッパなどを履かずに裸足で過ごすことで、
- 上行性網様体という脳の部分の刺激に繋がる
- 皮膚温度を下げる事で深部体温との温度差が広がる
こういったことが期待でき、体の覚醒に繋がります。
手を冷たい水で洗う
上記の裸足で過ごすことと同じく、深部体温との温度差が広がるため体の覚醒に繋がります。
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終わりに
以上になります。
ここまでお読みいただきありがとうございます!
僕も日中の眠気にものすごく悩んでいたのですが、上に書いてある事を実践したらかなり改善しました。
もっと詳しく知りたいよって方は、下記の参考文献を読んでみて下さい。
また、健康に関するオススメ記事はこちらになるので併せてお読み下さい↓
参考文献
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まとめ
睡眠は最初の90分を大切にしよう!