仕事ができなくて萎えてる?
仕事でミスして落ち込んでいる?
そんな人に一言だけいいたい。
下には下がいるってことを。
これを見て、自分がまだマシだって思えたら、明日からまた仕事を頑張って欲しい。
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仕事の失敗談①「失くすなよ?鍵だけは絶対失くすなよ?」と言われてきれいに鍵だけを失くした話
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目次
仕事の失敗談②約5時間廊下に立たされた話
通常研修スタート
入社してすぐの泊まり込みの研修を無事(では無いが)終え、泊まりでは無い通常の研修期間に入った。
約3ヶ月の研修期間を終えたら、配属が決まり僕たちは全国の配属先の支店に向かう事になる。
(今度こそ、問題を起こさずに平和に過ごすんや…!)
固い誓いと共に、日々の研修生活を送っていた。
資格試験
入社半月ぐらいの頃だっただろうか。
その日は、研修中に取得しなければいけない保険業務の資格テストの日だった。
しかし、1班30人強×4班で計120人強もいる新入社員が、一気に試験会場に向かっては駅や電車の中で迷惑になる。
そのため、人によってテストの開始時間がバラバラにされていた。
僕は比較的早い開始時刻だったため、朝、研修所に出社してから30分ほどですぐに試験会場に向かった。
昔からテストにはそこそこ強い方で、確かな手応えと共に資格試験を終了し帰社した。
僕より遅い開始時刻の同期は今現在試験を受けており、開始が早い組の中でも僕は特に早く終わった。
そのため、僕が帰社したタイミングでは、同じ班の同期はほとんどいなかった。
お昼のお弁当
帰社したのは11時ぐらいだったと思う。
通常は12−13時が昼休みなのだが、この日は試験が終わって帰ってきた者から順次お弁当を食べるというスタイルだった。(研修期間は、お弁当が支給される)
僕はほぼ誰もいない研修所の教室で、お弁当を食べ始めた。
この日のメニューは、僕が嫌いな“魚の煮付け”だったが、食事の持ち込み禁止で朝から晩までこのお弁当しか食べられないので、無理して食べた。
しかし、やはり魚特有の臭いや後味が口の中に残った。
当時は魚が本当に苦手で、臭いも後味も我慢ならなかった。
(今は昼休みだし、「研修所のルール」にも「ガムは禁止」とはかかれていないから、ガムはOKだよな…)
そう判断し、ガムを噛み始めた。
しばらくして、俺の班の上司がホワイトボードに何かを書き始めた。
(…が…わった人から…を…)
実は、僕は目が悪かった。
いや、当時の俺は“目が悪くなりかけていた”。
そう、つまり、遠くの文字は見えにくくなってきたものの、コンタクトでもメガネでもない絶妙な時期だった。
僕はホワイトボードの文字を読むべく、薄目で上司の手元を凝視していた。
友人いわく、僕の薄目は最高レベルで人をイラっとさせる力を持っているらしい。
加えて、その時は(自己判断で勝手にOKにした)ガムを噛んでいた。
たぶん上司が振り向いた時、こんな顔をしていたんだと思う。
例えば学校の先生が黒板に板書し、振り向いたら生徒がこんな顔でガンつけていたら(しかもクソ弱そうだったら)どう思うだろうか?
この時は、まるでお手本のような、のび太も真っ青の反応が返ってきた。
「〇〇(←僕)!!廊下に立ってろ!!」
笑顔で帰社する同期
こうして、同期がほぼ出払っている中でひっそりと廊下に立たされた。
その後、同期がドンドン帰社する。
「ただいま帰りましたー!」
業務中に外に出たのが新鮮だったのか、帰社してきた同期のテンションは高めだ。
しかし、部屋の中に漂う鬱々としたオーラを見て、異変に気付く。
ドアの外を見ると、仏像のように無表情な顔で立っている僕と目が合い、全てを察してそっと自席に着く。
“「ただいま帰りましたー!」〜自席に着く”を1セットとして、それを10セットぐらい繰り返した。
楽しそうに帰社する同期が、僕の状態に気付いた途端に顔がこわばりガン萎えする姿を見る度に心が痛かった。
それぞれのランチタイム
帰社した同期が、僕がガンつけてやったホワイトボードの「試験が終わった人から順次お昼休みにして下さい。」の文字を読み、ランチタイムに入る。
偶然なのか嫌がらせなのか、僕はみんなが楽しみにしているお弁当が入った箱の真横に立たされていた。
僕の班の同期は、「また僕君が何かやって上司に詰められているんだろう…」と容易に想像できているので、ボソっと一言「頑張れっ!」とか言いながら弁当を取りに来る。
しかし、その箱には、他班の分のお弁当も入っている。
他班のやつらが弁当を取りに来る度に
「ヒェッ…ぶ、仏像さま??」
みたいな反応をされる。
いざ楽しみにしていた弁当を取りにガラっとドアを開けたら仏像が立っていたら、その反応も当然ではある。
中には、人の不幸をにやにやして笑う者もいた。
(今まで生きてきた中で、まあまあ上位に入る仕打ちだなおい。)
割と冷静に、そう考えていた。
研修再開
全員の試験とランチタイムが終わり、通常の研修が再開した。
まるで何事もなかったかのように研修が再開した昼下がりだった。
(え?いやいやいや?さすがにこのタイミングで廊下行きの罰は許されるでしょ?え、帰りまで?今日1日ガチのび太になるやつ?)
そう思っていたら、上司がこちらにやってくる。
ほっと胸をなでおろす。
(ガラッ)
「この度は、大変申し訳ございませんでした!」
ドアが開いたタイミングで威勢よく謝罪した。
「何が悪かったのか、わかったら言いにきなさい。」
「…?」
「それまでは廊下!!」
「うぇーい!!」
当然口には出さず心の中での反応だが、僕は一周回ってチャラくなった。
ピシャッとドアを閉め立ち去る上司。
ちょっと意味がわからなかった。
意味が分からないが、つまり自分の足で上司の席まで行って謝罪するのが筋だろって事か?
それ以外に考えられなかったのでそう解釈した。
いざ謝罪へ
(ガラッ)
僕がドアを開けると、ピーンッ…と部屋の空気は凍りつく。
(生きてきた中で“まあまあ上位”じゃねぇ、TOP3に入る仕打ちだこれ。)
そう思いながら上司のもとへ向かい、謝罪した。
「この度は、自分の勝手な判断により、お昼休みにガムを噛んでしまい申し訳ございませんでした!社会人としての自覚が足らなかったと思います!以後、二度とこのような事がないように致します!」
ふぅ…。
これで満足かよクソババア?
ようやく解放されると思ったのも束の間だった。
上司からは
「全然違う!やり直し!」
と一蹴され、廊下に帰される。
(????????)
わけが分からない。
え、何が違うの??
ガム食ってたから怒ったんだよね??
え、顔がムカついたの?
目が悪いから薄目で見てた時の顔がムカついたの?
じゃあみんなの前で「ムカつく顔ですいません!」って言えばいい?
こんなことを15分ぐらい考えていた。
考えた末、
「まだみんな資格試験の最中なのに自分が終わったからって気を抜いてすみませんでした。」
これに賭けてみる事にした。
(ガラッ)
ピーンッ
この空気にはもうさすがに慣れた。
奇しくもここで僕は鉄のハートを手に入れた。
感謝はしていない。
ツカツカと上司のもとへ歩いていき、謝罪した。
「まだ同期のみんなが大事な試験の最中にも関わらず、自分が終わったからといって気を抜いてしまい申し訳ありませんでした!社会人としての自覚が〜」
「あーもういいから!ぜんっぜん違う!やり直し!」
手を差し伸べてくれる同期
「ちぇっ、またハズレか〜。残念。出直してきますわ!」
ここまでくると、これぐらいの気概になってくる。
部屋の同期を一瞥して、
「わりっ!またダメだったわ!ちょっくら(廊下に)行ってくんわ!」
ぐらいの雰囲気で廊下に戻った。
僕は廊下に戻り、開き直った。
決めた。
もう退社時刻まで立とう。
戻れって言われても「いや、まだ自分、十分に反省できておりませんので。」とか言って立ち続けてやろう。
覚悟しやがれクソ上司。
腹を括ったその時、僕の席の周りに座る同期が3人、廊下の僕のもとへとやってきた。
僕「あれ、どしたの?」
同期「上司から、僕君に正解を教えてやれって言われて…。」
僕「」
…なんなんだこの仕打ち?
休み時間のガムってそんな罪か?
ガムに何か恨みでもあんの?
もうゲザる(土下座する)から許して…!
退社時刻まで立ってやろうとした矢先に先手を打たれ、僕の心は折れかけていた。
さすがに同期を巻き込んで退社時刻まで立っているわけにはいかない。
僕は自分を奮い立たせて作戦会議を始めた。
同期A「今まではなんて言ったの?」
僕「えっと、ガム食べててすいません、と、みんなの試験終わってないのに気を抜いてすいません、って…」
同期一同「…」
同期B「え、それじゃないなら他に怒ってる理由無くない??」
僕「うん、俺もそう思って困ってる…」
同期C「たぶんさ」
僕「…?」
同期C「その…僕君が実際にそうだって意味じゃないからね?」
僕「うん、何かわかったの?」
同期C「たぶん“会社に1円も利益をもたらしていない底辺なのに調子に乗ってすいません”が正解なんじゃないかな…。」
僕「えっ?」
同期C「あの人の性格からするに、そういう事だと思う。」
同期AB「確かに…。」
僕「あっはっは!おいおいおい、マジでー?それはないっしょさすがに!あっはっは!そんなレベル?そこまで言わないといけないの社会人って?それはさすがにないでしょそれはさすがにー!Cちゃんレベル高すぎだろーww」
同期ABC「…。(気まずそうな顔)」
僕「…素なの?」
同期ABC「…。(気まずそうな顔)」
僕一人では思いつかない答えだったし、まさかとは思った。
でも、3人もの同期が僕のせいで研修を受けられず廊下に立たされている現状を、僕は甘んじて受けなければならない。
さすがにここまで…とは思ったけど、同期のアドバイスをもとに、3度目のトライをしに行った。
(ガラッ)
ピーンッ
(さすがに今度こそ頼む、僕君…)
同じ班の全同期が、目でそう訴えかけていた。
「私は、今はお給料を頂き勉強をさせていただいている立場です。営業マンの本来の職務は会社に利益をもたらすことですが、1円の利益も生み出せていないばかりか、むしろ今の時点では会社にとってはお荷物でありコストです。文字通り底辺の存在にも関わらず、その立場を十分に分かった振る舞いが出来ず、大変申し訳ございませんでした!」
………
10秒ぐらいの張り詰めた沈黙が流れる。
(また外したか…?まぁこれで当たりでも心外だが…)
当たるも地獄、当たらぬも地獄。
そう思っていたその時、上司から一言。
「よろしい。(にっこり)」
教訓
一事が万事、社会人たるもの1悪いことをしたら10,000で謝罪しよう。