【筋トレ最強説】完全無欠の筋トレ理論

・最近運動不足を気にしている

・筋トレ始めたいけど、効果的なやり方がわからない

・栄養学の観点からも筋トレを極めていきたい

こういった方向けに書きます。

筋トレの理論から、適切な食事やプロテインの摂取方法を解説していきます。

メタアナリシスやシステマティックビューと言われる、エビデンスレベルが非常に高い研究結果を基に記事を作成しております。

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筋肉を“肥大化させる”トレーニング

まずは、筋肥大させるための理論的な方程式をお伝え致します。

【筋肥大効果】
=総負荷量 × 休憩時間 × 関節の可動範囲 × スピード × 筋収縮の様式 × 頻度

下記でそれぞれの詳細を解説しますが、一番大切な点は総負荷量です。

総負荷量

総負荷量は、『トレーニング強度×回数×セット数』で表されます。(これが筋トレにおいてもっとも重要と言えます。)

トレーニング強度とは、例えばベンチプレスであれば、全力で1回だけ持ち上げられる重さが『1RM(レップ)』となります。全力で5回持ち上げられる重さが5RM、といった具合です。

一昔前まで、筋肥大のためには高強度のトレーニング(=10RMのトレーニングよりも5RMのトレーニング)が重要だと考えられていました。

しかし、2010年にカナダのマクマスター大学の研究により、重いバーベル・ダンベルによる高強度のトレーニングではなく、軽い低強度のトレーニングでもその分回数を重ね総負荷量を同じにすれば、同じだけの効果が得られるという事が立証されました。(2017年にはこれらの研究結果をまとめたメタアナリシスが発表されています。)

ジムに行く時間が近くにジムが無い方でも、自宅での腕立てやスクワットを徐々に回数を増やしていければ十分に筋肥大できるという事ですね。

休憩時間

これはトレーニングのセット間の休憩時間という意味です。

効果的な休憩時間は強度によって変わり、高強度のトレーニングであれば2分以上の休憩、低-中強度であれば1-2分の休憩時間が効果的だとのこと。

高強度の場合、総負荷量を上げる事に繋がるからという理由で2分以上の休憩が効果的だと考えられていますが、ジムなどでは混雑時には周りの目が気になるかもしれません…。待っている方がいないか、確認してからトレー二ングしましょう。

関節の可動範囲

関節の可動範囲によっても、トレーニングによる筋肥大の効果を上げる事が期待できるようです。

筋トレにおいての関節を動かす範囲は、可動域いっぱいに動かす『フルレンジ』と中間の角度の『パーシャルレンジ』の2通りですが、結論は『フルレンジ』の方がより効果的だと考えられます。

2012年にブラジルのフェデラル大学での研究によると、40名の被験者をフルレンジとパーシャルレンジに分け10週間トレーニングした結果、筋肥大の効果に2倍の差が出るという結果が出ました。

怪我にだけ注意すれば、フルレンジの方が効率よくトレーニングできるという事です。

スピード

運動スピードも筋トレの効果を多少ですが左右するようです。

しかし、ニューヨーク市立大学のメタアナリシスによると、トレーニング動作1回につき8秒以内であれば効果の差はほとんどないとのこと。

逆に、8秒以上のスロートレーニングでは効果が落ちるという研究結果も出ているため、1回8秒以内を心がけていればそこまで気にしなくて平気です。

筋収縮の様式

トレーニングの動作は、筋肉の収縮動作によって行われていますが、この収縮動作には2種類あります。

例えばダンベルの場合、肘を曲げて上に持ち上げる動作をポジティブ動作、上に持ち上げたダンベルを下に下ろす動作をネガティブ動作と言います。

ネガティブ動作の方がより重いダンベルやバーベルを持つ事ができるため、ネガティブトレーニング(持ち上げるのは無理な重さのものを下ろす事だけに特化したトレーニング)の方が効果が高い、というのが少し前までの筋トレ界の常識になっていました。

しかし、それを立証したエビデンスの筋肉量の測定方法に問題がある(精確さに欠ける)事がわかり、改めて2017年にニューヨーク市立大学が超音波やMRIを用いた精度の高い計測方法で実験したところ、どちらの方法もそれほど優位な差は無かったとのこと。

優位な差とまではいかないが、ほんの少しだけネガティブ動作の方が効果があった、という事でもあったため、トレーニング中のネガティブ動作を頭でちょっとだけ意識して行う程度で十分だと思います。

週の頻度

上記同様にニューヨーク市立大学の研究によると、週1日では効果が薄く、2日以上だと総負荷量が同じであれば効果は変わらないという結果になりました。

2018年のオクラホマ州立大学の実験でも、週3日と週6日のトレーニング頻度で、総負荷量を同じにした場合はどちらも差は出なかったようです。

つまり、忙しい方でも週に2-3日いければ十分に効果が期待できるという事です。

筋肉を“強くする”トレーニング

筋肥大させるための効果的なトレーニングは上記の通りですが、現代のスポーツ科学では「肥大化した筋肉=強い筋肉、というわけではない。」とされています。(実際に筋肉の大きさが筋力に寄与する割合は50-60%程度とのこと。)

では、筋肥大だけではなく「筋力」も強くするためにはどうしたらいいのでしょうか?

それが下記の方程式になります。

【筋力増強の方程式】
=トレーニング強度 × 運動スピード × 週の頻度


これは、2017年に実施されたニューヨーク州立大学のメタアナリシによる研究結果です。

1RMの80%以上の高強度でのトレーニングと、それ以下の強度での2グループに分け、6週間のトレーニングを実施した結果、高強度の方が筋力増強の効果がある事がわかりました。

その際の動作のスピードは6秒未満である方が効果的だとのことです。

週の頻度は、筋肥大と同様に総負荷量が変わらなければ頻度の差は見られないという結果が出ています。

つまり結論として、筋力増強のためには、高強度トレーニングを6秒未満の素早い動作で、週の頻度ではなく総負荷量を意識して行うと効果的だと言えるでしょう。

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栄養学から見る筋力トレーニング

筋トレだけではもちろん筋肥大も筋力アップもしません。

どういったタイミングで、どれだけの量を、どういったもので摂取するのが効果的なのか、という事もぜひ押さえて下さい。

そもそも筋肉は何で出来ている?

人の身体は、約60%が水分で、20%がタンパク質でできています。

人の身体の臓器、髪の毛や爪、皮膚、血液や免疫成分などはタンパク質でできていますが、筋肉も同様に筋タンパク質からできています

そしてこのタンパク質はアミノ酸と呼ばれる分子の組み合わせでできています。アミノ酸にも種類がありますが、その中の9種の必須アミノ酸がバランス良く含まれているものが筋肉にとって良いとされています。(後述します)

筋トレに効果的な食材

では、どんなものからそのタンパク質を摂ったらいいのでしょうか。

大雑把に言うと、最強のタンパク質は、牛乳大豆、になります。

具体的なものでは、アミノ酸スコア(国際連合食糧農業期間(FAO)や世界保健機構(WHO)も認める指標で、9種類全ての必須アミノ酸が含まれていて基準値を満たした場合を100とする指標)を見ると分かり易いと思います。

【食材別アミノ酸スコア(一例)】

豚肉 100
鶏卵 100
あじ 100
牛乳 100
大豆 100
ほうれん草 94
精白米 64
小麦粉 39

プロテイン 100(ホエイ、カゼイ、ソイ全て)

一例ですが、上記を見ると、食材からタンパク質を摂る場合は豚肉や卵、あじ、牛乳や大豆などが効果的である事がわかります。

【コラム】

必須アミノ酸の中でも、バリン、ロイシン、イソロイシンを総称してBCAAと呼びますが、これらは主に筋肉でしか代謝されないため、積極的に摂った方がいいのでは?という風潮がありました。しかし、2017年にイギリスのエクセター大学における実験によって、「やはりバランス良く9種類の必須アミノ酸を摂取した方が筋タンパク質合成には効果的」だとされ、2018年に国際スポーツ栄養学会(ISSN)もこれを支持している。

ちなみにプロテインは当然アミノ酸スコアも100ですが、種類別に特徴をまとめると以下のようになります。

【ホエイ】
他のプロテインに比べて必須アミノ酸が豊富で水溶性タンパク質のため摂取すると素早く小腸で吸収される。そのため、筋トレ後スピーディに栄養補給できる「ファスト・タンパク質」と呼ばれる。

【カゼイン】
水に溶けにくく、消化・吸収に時間がかかるが、その分体内のアミノ酸濃度を長時間支えてくれる。そのため、ホエイとは対照的に「スロー・タンパク質」と呼ばれる。

【ソイ】
大豆に含まれる植物性タンパク質、消化・吸収速度はホエイとカゼインの中間ぐらいだが、抗酸化・抗炎症化作用が特徴

1日における最適なタンパク質摂取量

では、1日における最適なタンパク質の摂取量はどれぐらいでしょうか。

もちろん個人差はありますが、2017年のマクマスター大学の研究によると、平均値で、1kg×1.62g(最小値1.03g〜最大値2.20g)の摂取量が効果的であるとの結果が示されています。

これは例えば70kgの男性だと113.4g前後のタンパク質が1日の摂取量の目安になります。

これを三回の食事+就寝前のプロテイン(30-40g)というように何度かに分けてバランス良く摂取するとより効果が高いとの事です。

ちなみに、寝る前のプロテインは20g程度の少量では効果が薄く、ある程度の量を飲んで始めて筋タンパク質合成の一助となるようなので注意が必要です。

タンパク質摂取の最適なタイミング

タイミングについては、いつがいいのでしょうか。

広く知られる話としては「筋トレ直後が最も効果的」と言われていますが、これは本当です。2009年のマクマスター大学の研究結果により示されていますが、同研究結果によると、トレーニング後3時間まではホエイプロテインが最も効果的であるとの事。(その後のコペンハーゲン大学の研究結果によると、トレーニングした6時間後以降になると、ホエイもカゼインも効果は変わらない事がわかったそう)

この、いわゆる筋トレ後のゴールデンタイムと呼ばれる時間はご存知の方が多いのですが、実は、トレーニング後24時間は筋タンパク質の合成感度が高まったままである事がわかっています。(2017年に複数の研究結果を基に国際スポーツ栄養学会が公式見解を明示)

ただし、疲労困憊までトレーニングを行った場合に限るみたいなので、ガッツリ追い込んだ場合のみ、という事になります。笑

まとめると、トレーニング直後ももちろん大切ですが、その後24時間でいかに適量のタンパク質を摂取できるかが筋肉アップのポイントになると言う事です。

効果的な筋トレのための注意点

筋トレのための主な理論はここまででお伝えした通りですが、ここではより効果的な筋トレにするための細かい注意点をお話します。

筋トレは夕方が効果的

2016年のマーストリヒト大学による研究で、いくつかのグループに分けそれぞれ異なる時間帯にトレーニングをさせてみたところ、夕方に行ったグループが最も効果が高かったという結果が出ています。

ストレッチがトレーニングのパフォーマンスを下げる?

運動前にストレッチをするのは常識だと考えておられる方もいると思いますが、実はストレッチは運動のパフォーマンスをむしろ下げる事がわかっています。

2004年にカナダのSMBJ病院が世界で初めてストレッチが筋力やジャンプなどの瞬発力を低下させることをあきらかにし、2006年には欧州スポーツ医学会、2010年にはアメリカスポーツ医学会が「運動前のストレッチはパフォーマンスを下げる」と公式発表しています。

トレーニング前には10分程度の軽いランニング、もしくはベンチプレスやダンベルを使う場合は軽めの重量でウォーミングアップを行う方がいいとの事です。

ストレッチは筋肥大効果も減少させる?

これは、ブラジル・カンピナス州立大学の実験により明らかになりました。

上記のストレッチによるパフォーマンス低下という話から繋がっていますが、ストレッチを行う事で総負荷量が減少して筋肥大への効果も低下するとの見解が示されています。

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おわりに

長くなりましたが以上です、最後までお読みいただきありがとうございます!

僕も週3回のトレーニングを頑張っているところです。

ただし、健康ヲタクを自称する僕の場合は、プロテインも化学的に生成された不自然なものだと捉えているので、食事のみで筋肥大を目指しているところです。笑

正しい理論を身につけ、お互い一緒に頑張りましょう!

ライザップ

まとめ

・理論を押さえて、正しい効果的なトレーニングを!

・筋トレ後の食事にも十分に気を使うと完璧



ABOUTこの記事をかいた人

こんにちわ、シロです。 新卒で証券会社に入社→入社3年は全く数字ができず地獄の日々→「思考は現実化する」という本と出会い「俺はできる!」と思い続けていたら特進で出世し、年収1,200万円到達→休日しか楽しみが無く、死んだ魚の目をして一生を終えそうだったので退職→ブログと個人投資家(←今ここ) 会社員時代に、病気になったり突然倒れ帰らぬ人となった周りの人たちを見て「健康が一番大事やん…!」と悟りました。 自然が大好きです。 山登り、キャンプ、スノーボード、ダイビング、旅行が好きです。 主に雑記ですが、皆様が心身ともに健康でいられるような記事を書いていけたらと思っています。